水耕栽培に必要なものはそれほど多くありません。植物の成長段階によって少しずつ変わります。この記事ではお手軽に水耕栽培を始めたい人のために、なるべくシンプルに種まきから収穫までの流れと培地や肥料など必要なものを解説していきます。

種まき時期に必要なもの


まず種。これがないと始まりません。どの品種を選ぶかは好みと収穫までの時期、難易度などで判断しましょう。

超お手軽なスプラウト類、収穫まで4週間ほどのベビーリーフなど、使い勝手の良い大葉や丈夫で育てやすいバジルなどの葉物野菜やハーブがおすすめです。

種まきに適した時期や気温はタネのパッケージに記載されているので、それに合わせて選び種まきをしましょう。

ブロッコリースプラウトについては必要なものが更に少ないのでこちらの記事をどうぞ

適当な容器

タッパーや皿、フルーツの空き容器、ペットボトルを利用したものなど、なんでもOK!

培地

スポンジなどタネを撒く土台の培地と水溶性のトイレットペーパーが必要。
私は100均でいくつかセットで売っているこんなスポンジを使いました。

スポンジ培地

こんな感じでネットを取り除き

スポンジ培地

四角くカット。カッターで十字に切り込みを入れます。

スポンジ培地

容器に入れて水を含ませ、ごく浅く切り込みに挟むようににタネを撒いていきます。

水溶性のトイレットペーパーを被せて霧吹きをし

水耕栽培種まき

基本的に発芽までは暗いところに置きます。

水耕栽培発芽バジル

発芽の後は日に当てて育てます。日光をどのくらい好むかは品種によります。

種は事前に水を吸わせて沈んでいるものを使った方が発芽率が上がる場合も。栽培方法はタネのパッケージに記載されているので、よく読んで品種に合わせましょう。

発芽後に必要なもの

肥料

発芽までは必要ありませんが、その後は肥料は必要です。土を使わない水耕栽培は水だけでは植物の成長に必要な栄養分が摂れません。

水耕栽培専用の肥料もあるようですが、私はホームセンターで手に入って汎用性の高いこちらの「微粉ハイポネックス」を使いました。

中身は白くて細かい粉で計量スプーンがついています。

裏面には「ハイドロカルチャーや水耕栽培には1000倍でお使いください。」と記載されています。

1000倍というのは水1リットルにつき小さいほうの1g計量スプーン一杯ということ。

こちらの1リットルのペットボトルなら、小さいスプーン(1g)一杯の微粉パイポネックスを入れて振って溶かせばいいわけですね!

2リットル容器に溶かすなら大きなスプーン(2g)一杯を溶かして使います。

頻度は1週間に一回と記載されているので、水替えと一緒に与えれば丁度いいようです。

容器と台

ある程度根が伸びてくると、容器に直にスポンジを置くのではなく隙間ができるようにしてあげるとストレスなく根っこがすくすく伸びていきます。

専用の水耕栽培のキットもありますが、適当な容器と100均で手にはいるもので代用することもできます。

台になるもの、例えば猫よけのこういうとげとげ。

猫よけ

100均の園芸コーナーに売っています。

カラスよけ

カラスよけのこちらのタイプも使えます。こちらはセリアで購入しました。

容器は穴があいてなければなんでもOK!例えばダイソーの寄せ植えポット。

寄せ植えポット

台を入れて隙間を作ってみました。

寄せ植えポット

肥料入りの水を入れ、スポンジと苗を台に乗せるとこのような感じになります。スポンジが乾かないように水の量を調整します。

おすすめの定植と必要なもの

定植はいろいろできる

すぐに収穫するスプラウトなどの品種は別として、収穫まで時間がかかるものや大きくなる苗は、スポンジのままだと成長につれグラグラと不安定になります。そこで根が伸び、苗がある程度育ったら定植します。

これはいろいろな方法があって、ペットボトルや様々な容器を使って自分好みに遊べる部分です。基本は根っこが育つ空間を作りながら苗を安定させることができれば多分OK。

私もいろいろと試したり遊んだりしてみました。定植は楽しいですよ!

おすすめの方法

いろいろ試した結果、一番楽でいいなと思ったのがこの方法。画像右側のコンテナとカラスよけ、お茶パックとハイドロボールを使ったやり方です。

お茶パックの水耕栽培

カラスよけとコンテナを使って

セリアのカラスよけの穴をこんな感じで切り取り(猫よけを使ってもOK)

カラスよけ穴

同じくセリアのプラスチックのコンテナ(おそらく文具)にセットし、肥料入りの水を入れます。

カラスよけセット

お茶のパックの底を数cm切り込み、苗の根を出しハイドロボールで安定させます。その後コンテナに根の位置を調整しながら並べます。

このやり方なら、苗の成長に合わせて密集具合を調整することも可能です。ただ背が高く育つ植物はだんだん不安定になるので支柱が必要かもしれません。

上記のコンテナとカラスよけはセリアで購入しましたが、代用できる容器もあるはずです。また他の必要なものはいずれも100均やホームセンターで手に入ります。

お茶パック

50枚くらいのセットで100均でも売っています。

ハイドロボール

スポンジ安定させるために入れます。空気や水分を保つのにも役立ちます。小粒や中粒などが販売されています。

ハイドロボール

苗がそれほど大きくないので、粒の大きさは小さいものの方が安定するように感じました。そのままだと赤茶けた粉が気になるので、よく洗って使います。

流し台で使う水切りネットに入れると洗い易いですよ。

そのほかの定植方法

ペットボトルを利用

ペットボトルを利用する方法もおすすめです。

大きめのペットボトルを倒した状態で上部を切り取り、プランターのように利用します。猫よけを台にしてベビーリーフの苗を入れました。

ペットボトル定植

水深が浅いですがベビーリーフのように収穫が早いものは、このやり方でもちゃんと育ちました。ペットボトルのキャップを外して傾ければ水が捨てられるので、水替えがラクというメリットも。

このほかにもペットボトルを上下にカットして、上の口の部分をひっくり返しその上に苗を置きハイドロボールなどで固定する方法もあります。

ペットボトル水耕栽培2

ただ透明の容器は藻がつきやすいので、ホイルなど何かで覆った方がいいようです。

ジェルポリマー

容器の底に根腐れ防止材を入れ、ジェルポリマーで覆い水を入れる方法も試してみました。

ジェルポリマー水耕栽培

4週間ほどで収穫できるベビーリーフなら問題ないと感じましたが、気温などの環境によってはポリマーにカビが生える場合があります。ビーズもだんだん割れてくるので、収穫まで長くかかるものには向かないかもしれません。

インテリアとしては可愛いんですけれどね。

ビンや容器、コンテナを利用

普通の植木鉢は底に穴が開いているため、水耕栽培には向きません。100均で買うなら色付きの瓶やコンテナの方が使いやすいと思います。

ダイソーのビン

いろいろ試してみたのですが透明の容器は藻が生えやすいので、濃い色がついている方が向いているようです。

このタイプのダイソーの花瓶に丸型のフードパックが丁度フィット!

フードパックに穴を空けて根っこを通し、ハイドロボールでバジルの苗を定植しました。この方法は何ヶ月も安定していて、気に入った定植方法です。

バジル瓶

赤い瓶はスポンジを挿しただけです。白いネットは台所スポンジのネット。下をカットして根が出るようにし、瓶に苗が落ちないよう工夫しています。

定植方法はいろいろ試して準備できる環境に合ったものを選ぶといいと思います。

定植後、収穫まで

その後は基本的に1週間に1度は肥料を入れた水を取り替え、成長の様子を見守りながら収穫を待ちます。
水やりにはこんなジョウロがあると便利です。これはダイソーで購入したもの。

ダイソージョウロ

収穫する時は必要な分をキッチンバサミを使って切り取りましょう。自分で栽培した野菜は特別美味しく感じるはずです。

以上、ざっくりとした栽培の流れとそれぞれの時期に必要なものをご紹介しました。必要なものが少なく身近にあるもので手軽にできるのが水耕栽培のいいところ。種まき時期になったら、まずはスポンジをタネを用意して始めてみてはいかがでしょうか。