赤ちゃんから小学生まで、子どもは絵本が大好き!絵本は最高の教育ツールであり、親子のコミュニケーションツールにもなります。私は元幼稚園教諭&保育士として、読み聞かせでたくさんの子どものダイレクトな反応を見てきました。あくまでも子どもが喜ぶ、そんな目線から絵本の効果や読み聞かせをおすすめする理由をまとめます。

子どもは絵本が大好き

赤ちゃんから小学生まで、子どもは絵本が大好き!

保育園や幼稚園では、絵本は子どもに心の栄養を届ける大切なツールとして扱われています。

保育の現場では絵本や紙芝居の読み聞かせを行うことで、子どもたちの集中力を高めたり、朝の活動、お昼寝、おかえりなどの活動の節目やクールダウンする時間を作るためにも使われます。

大人の感覚だと「絵本や読書が好き=物静かでおとなしい」という印象があるかもしれませんが、保育に携わって感じたことは「子どもはみんな絵本が大好き!」ということ。

男の子も女の子も、外遊びが好きで元気いっぱいの子も、一度絵本の楽しみ方を知ったら、驚くほどの集中力で絵本の世界にダイブしてくれます。

お話が始まる合図の手遊び歌が始まると、いそいそとやってきて集まる子どもたちの可愛らしさといったら!思い出しても心が暖かくなります。

みんなで目を輝かせ、面白かったら大きな声で笑い、ドキドキする場面では息を呑み、絵本を開くだけでそこは小さな劇場のような雰囲気に。

お話の世界に集中する子どもたちの様子を見るにつけ、私も絵本が大好きになりました。

絵本の読み聞かせの効果

絵本が子どもに与える効果・効能は多岐にわたります。

読書が好きになる

人生の早い時期に絵本の魅力を知ったお子さんは、読書が好きになります。読み聞かせの楽しさを知っている子どもはほんの小さな年齢でも、本を破ったり投げたりせず「読んで!読んで!」という仕草を見せます。

本好きの子どもの本の扱い方はとても丁寧。生涯にわたる読書に対する姿勢の基本は、もしかするとそんな早い時期に培われるのかもしれません。

一度絵本が好きになればどんどん新しい絵本に触れたくなる子どもたちですが、絵本を楽しむ体験が少ないと、集中できなかったり本を乱雑に扱う場合もあります。そんな絵本の楽しさをまだ知らないお子さんも、その後の読み聞かせで変わっていく場合も。

また、大きくなってから子どもを本好きにしたい、どうすれば本好きになるのかと悩む親御さんが多いですが、小さい頃の絵本体験の豊かさはその後の読書体験にも影響していきます。早くに絵本の魅力に気づいてもらう事が、本好きの子どもを育てる秘訣なのかもしれません。

絵本は親子のコミュニケーションツール

大好きな家族の声で絵本を読んでもらう時間は子どもにとってはきっと宝物。親子の絵本の読み聞かせは大切なコミュニケーションの時間でもあります。膝の上で、ベットの中で大好きなお父さん、お母さんに絵本を読んでもらう時間は、親にとってもお子さんにとっても後々まで大切な記憶となるでしょう。

日中叱ったりイライラしたり、そんな日でも絵本タイムがリセットの時間になるかもしれません。大好きな家族にゆったり語りかけてもらえる時間は、子どもの心と成長にたっぷりと栄養を与えてくれます。

言葉を覚える教育ツール

赤ちゃんが言葉を覚えるには、たくさんの言葉のシャワーが必要だと言われています。

でも同じような日常を送る中で、いつも似たような言葉がけになっていませんか?

絵本を読み聞かせることで、日常生活だけででは触れられないような語彙や知識にも触れることができます。言葉をシャワーのように浴びる為に絵本のパワーは絶大です。

図鑑のような絵本も言葉や知識を覚えるのに役立ちますが、小さな子どもは絵本の文章にたくさん触れることで、文法までなんとなく理解する力があるそうです。言語に対する感受性の強い時期にたくさんの文章に触れることは、きっとお子さんの可能性を広げてくれるでしょう。

文字を覚える

大好きなお気に入りの絵本を何度も何度も読んでもらううちに、その絵本を丸ごと暗記してしまう子もいます。そしてなかには、絵本の絵に添えられている文字が、その覚えてしまった文章を構成しているらしいと自然に気付く子がいます。

そのくらい小さな子どもの言語習得に対する感受性というのは驚異的です。文字の学習としてではなく、自然に文字の意味を知るなんて凄いことですよね。これに気付いた子のその後の習熟度は驚くべきものがあります。

絵本を読む喜びを体験すると後は自分からどんどん絵本を読み始め、自ら知識を吸収していきます。自ら本を読み学ぶ姿勢はきっと大人になっても役に立つはずです。

絵本は間接的な体験を与えてくれる

子どもの成長には多様な体験が欠かせません。しかしここ数年、園や学校では行事などが制限され、豊かに人と関わる体験がしにくい世の中になっていますよね。

直接的な体験には敵わないかもしれませんが、絵本の世界に没入することは子どもたちに間接的な体験を与えてくれます。

わくわくするような冒険や初めてのチャレンジ、子どもたちは主人公の体験を心の中で一緒になぞっています。物語にダイブし主人公の追体験をすることで、間接的に同じような心の動きを体験しているのです。

登場人物の言葉が相手にどういう影響を与えるかを知り、お友達に対する思いやりや素敵な言葉がけ、逆に言ってはいけない言葉や人を傷つける行動も学べます。

また絵本のジャンルによっては、社会の成り立ちを知る社会見学にも、科学や知らない生き物の生態を知る博物館巡りにもなり得ます。実際には到底遊びにいけないような場所にも、ときに空想の中で連れて行ってくれるのが絵本の世界です。

絵本はしつけを楽にする

小さな子どもが成長する上で、発達段階に沿ったしつけは必要ですよね。トイレトレーニング、歯磨き、着替え、あいさつ、交通ルール、生活する上で子どもたちは覚えることがいっぱいです。

子どもたちが何か初めての体験を控えているときの導入に、絵本や紙芝居はとても効果的で、保育の現場でもよく使われています。

家庭でも子どもが初めて何かにチャレンジするときの導入に、絵本を使ってみてはいかがでしょうか。お気に入りのキャラクターが自分と同じような課題にぶつかっている絵本は、100の説明より効果的なこともあります。

又、絵本はお友達とのコミュニケーションの取り方のケーススタディの役割も果たします。

「こんな言葉をかけると相手はは悲しい気持ちになる」ということや「ケンカをしたときの仲直りにはこんな風にするんだ!」など、絵本の中のキャラクターの言動から、トラブル回避の知恵を学ぶこともできます。

お友達との関わりが多くなる時期に、仲間の大切さや譲り合う気持ちがわかるお話を選んで読むのもおすすめです。

まとめ

絵本の読み聞かせは、子どもにたくさんのギフトを与えてくれます。家庭での読み聞かせは、親子の大切なコミュニケーションの時間です。

忙しいお父さん、お母さんにとっては時間をやりくりするのも大変かもしれませんが、実は読み聞かせができる時間は子どもの人生の中ではほんのわずか。

あのときもっと読んであげたらよかった、もっとたくさんコミュニケーションの時間をとりたかったと、思うときがくるかもしれません。実際私も、もっともっと読んであげたかった、と今になって思います。

この記事では子どもに絵本を与えることの様々な効果をピックアップしてみました。

具体的な絵本の選び方についてはこちらをご覧ください。